ロートネルのような監督と組む一方、彼女は『ウイークエンド』(67)でゴダールとも組んでいる。出演を希望したのは彼女の方からだった。
 「それまでコミックのような映画ばかりやっていたので、イメージ・チェンジをはかりたかったのです。はっきり言って、あれは自由を求める一つの方法だったと思います。前に進んで行く、進歩していくうえでのひとつの違った方法だったと思うのです。でも衣装も含めて、映画作りに関しては『恋するガリア』なんかの場合とかなり違っていました。ゴダールにはひとつの役割をやってくれと言われただけで、それ以外のことで何かを表現させてはくれませんでした。普通、監督というのは映画を撮るとき、色々なものをプラス・アルファして作品に個性を出すものですが、ゴダールの場合は違っていた。窮屈ではなかったのですが、制限はされていましたね」

 1988年に、彼女は『ソフィー 遅すぎた出逢い』という映画を監督している。出演はしていない。一組の夫婦と若く情熱的な娘との激しい感情的葛藤を描いた作品だ。
 「この映画には原作があり、そこからアイディアを得て作りました。カトリーヌ・ポンコレという人が書いた、いわゆるカップルの話なんですが、若い女性が一人現れることによって、情熱的だったその若いカップルがだんだん破壊されていくところに興味を持ちました。今まで日本で公開された私の出演作とはギャップがあるかもしれませんが、最近は売春婦を題材にしたルポルタージュをやったりもしています。テレビ番組なんですけど、〝特派員スペシャル〞という、フランスの社会で起きている重要な事件を扱った番組を作っているんです。リポーターは私だけではなく、各回ごとにいろんな人に代わります。企画まで担当しているわけではありませんが、こちらからテーマを提案することはあります。私も歳を取り、自身変わってきていますし、最近はもっと深いものに取り組んでみたいと思っているのです」

 インタヴュー中、彼女はしきりに「新しいことに挑戦する」「昔の自分とは(今の自分は)違う」といった意味の言葉を口にした。常に前向きに生きていこうとする姿勢こそが、外見の若々しさを保持させているに違いない。願わくはもう一度スクリーンに登場して、意欲溢れる「新しい」姿をわれわれに見せてくれんことを!


初出:『エスクァイア日本版』1997年6月号

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