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『イメージズ』をめぐって


●製作背景

 1972年の英国=アイルランド=アメリカ合作映画。本作の企画は、ハリウッドのほぼすべてのスタジオでたらい回し
にされた挙げ句、ようやく英国のヘムデイル・フィルム・グループが資金提供することになり実現した。撮影はアイル
ランドのダブリンにあるアードモア・スタジオと、ウィックロウ郡の田舎家およびその周辺で行われている。原型とな
るアイディアは、ロバート・アルトマン自身が1968年頃に書いた、約20ページの小説形式の文章だった。

 主人公キャスリン役にスザンナ・ヨークを望んだのはアルトマンだったが、二人は会ったことがなく、ヨークはアル
トマンの映画を観たことがなかった。アルトマンから送られた脚本を読んだヨークは書かれていることをまったく理解
することができず、自分にキャスリン役を演じることができるとも思えなかったという。当時夫とギリシアに旅行中だ
った彼女がアルトマンに断りの電話を入れたところ、アルトマンは即座にギリシアに飛んで来て、二人は三日間脚本に
ついて議論することになった。脚本に書かれたキャスリンのキャラクターに、どこか血の通わない未発達なところがあ
ると感じたヨークがそれを口にすると、アルトマンは自分は大まかな輪郭を書くだけであり、あなたにキャスリンを見
つける手助けをしてもらいたいのだと返事したそうだ。

 劇中キャスリンが執筆している童話『一角獣を探して』は、実際にヨークが子供向けに書いた物語。キャスリンに何
か仕事を与えたいと考えていたアルトマンは、ヨークと仕事し始めた際にその物語のことを彼女から聞き、草稿を読ま
せてもらった。物語を気に入ったアルトマンは、早速童話を映画の中に取り入れた(自分の書いた物語が映画に使われ
ることになったヨークは興奮した)。そして、「童話は映画と完璧に同化した」(アルトマン)。ただし、アルトマン
は観客が映画のストーリーを理解するためにこの童話を理解しなくてはならないと考えることを危惧し、童話は音楽の
伴奏の役割を果たしているが、ひとりの子供の世界観、一個の空想の産物であり、それ以上のものではないと発言して
いる。

 

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