映画はヒッチコックの蝋人形のアップで始まる。カメラが引いて行くと、ロンドンの蝋人形館でパーティが催されていることがわかる。出席者のうち、メラニー、セイディ、サムソン、バズビーの四人組娘は、パーティ終了後も蝋人形のふりをして人形館の中に居座り続け、マイケル・ケインの蝋人形(“ハリー・パーマーもの”を演じるときのケインだ)を盗み出すことに成功する。その後、メラニーはボーイフレンドのアメリカ人レスラー、リッキが出場するレスリング試合を観戦している。リッキの対戦相手は、黒人レスラーのリリーホワイト(皮肉な名前)だ。試合はリッキの勝利に終わり、控え室に戻ったリリーホワイトは、先ほどの試合を観覧していた人気ポップシンガーのクリスチャンに目をつけており、「可愛い顔をした」あの若者について調べるよう手下のトワイニングに告げる。リリーホワイトはゲイのギャングでもあった。

 冒頭のパーティの場面と、続くレスリング試合の場面で、主要登場人物が全員顔見せしているのだが、彼らはまだ全員が顔見知り同士というわけではない。この後、リリーホワイトがクリスチャンのマネージャーを務めるカッシャーに、歌手の護衛を引き受けるから金を払えと半ば強引に「ビジネス」の話をもちかける。

 映画の冒頭約20分で、マイケル・ケインの蝋人形は四人の娘にさんざんなぶりものにされる。車の助手席や晩餐の席に座らされ、片目を銃で撃ち抜かれ、果ては右腕をもぎとられる。結局この人形は、(おそらくリッキから盗難の犯人が四人組だと聞いた)娘たちの知人の男が取り返しにきて持ち去ってしまう(人形とはいえこんな扱いをされて、本人はどう思ったのだろうか)。しかし彼女らは、今度は生きた人間(クリスチャン)を盗み出すことにする。

 その後、メラニーがリッキの名を騙って、クリスチャンをリッキの試合観戦におびき寄せる。四人組は尼僧の扮装をし、電話の呼び出しを装ってクリスチャンを個室に招き入れ、彼にクロロフォルムを嗅がせて誘拐する。

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