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mozi - モンテ・ヘルマン研究- 遠山純生-
mozi - ロバート・オルドリッチ研究 - 遠山純生-

 以下に訳出するのは、第24回トリノ映画祭(2006年11月10日〜18日)のロバート・オルドリッチ特集に合わせて刊行されたカタログ所収の、「もし君が本物のクソ野郎でなかったら、われわれは映画を作ることはできない」と題されたバート・レイノルズへのインタヴュー(2006年8月21日におこなわれたもの)。聞き手は同カタログの編者ジュリア・ダニョロ・ヴァッラン。


バート・レイノルズとの対話 @

バート・レイノルズ(以下BR)

 ある日ロックフェラーがパラマウントを訪れ、パラマウントの連中が彼を連れてスタジオ見学をした。われわれが撮影している最中に、連中がやって来てボブに聞いた。「オルドリッチさん、ロックフェラー総裁がこの外にいますよ。彼を中に入れましょうか? どこで彼とお会いになりたいですか?」。ボブはそれに対してこう答えた。「奴とはもう知り合いだ」。「どういう意味ですか?」「あんなクソ野郎には会いたくないってことだ」。みんな口をあんぐり開けたままだったね。こんな具合だった。彼はロックフェラーに会わなかったんだ。  

 ボブにとって、妥協策は存在しなかった。彼に気に入られなければ、かなり面倒なことになる可能性があった。代わりに気に入られれば、どんなことでもしてくれただろう。人間の権利のためには無条件に闘った。ボブにとって、まったく何のメリットも認められないようなことでね。誰かが人種差別や性差別でも受けようもんなら、彼は頭にきて怒り狂った。あの時代の他の大監督が、誰一人彼と同じでなかったとは言い切れない。通常彼らはこの手のことに関心を抱かないし、抱いていたとしても右派だった。ボブに会ったら、君は彼のことをジョン・ウェイン一派の一員だと考えたかもしれない。ところがボブはウェイン一派をひどく嫌っていた……ただ憎んでいたんだ。ランカスターもリベラルで、二人は一緒に仕事した……ボブが危篤状態だったときに、チャーリー(・ダーニング)が彼に会いに行ったことを知っている。みんなが中に入り、「バートがいますよ」と言った。ボブは「中に入れてやってくれ」と答えた。それから、「ちょっと待て。バート誰だ?」「ランカスター」。そうしたら彼はこう答えた。「失せろ」。その話を聞いてショックだったよ。


──あなたたちが作り上げた映画、特に『ロンゲスト・ヤード』(74)には破壊的でとてつもない力がありますね。  
BR あの映画はリメイク版 [ アダム・サンドラー主演『ロンゲスト・ヤード』(ピーター・シーガル、01)のこと。この映画にはレイノルズも出演している。主題をサッカーに置き換えた英米合作再映画化作品『ミーン・マシーン』(バリー・スコルニック、01)もある ]よりずっと大胆で荒々しいものだ。リメイク版の方が愉快だったけれどね。われわれは観客を笑わせようとはしていなかった。あの映画はコメディとして書かれたものではなかったんだ。喜劇性は登場人物たちや彼らの関係から生じていた。でもわれわれが仕事を始めたときに、ボブにこう言ったのを覚えている。「あんたは本当に女の子をあんな風に手荒に扱いたいか? あれはいいアイディアだとは思えないな。観客は気に入らないだろうね」。「あんなことができるのは君(のような俳優)だけだ」と彼は答えた。そう言われて本当に嬉しかったけれど、私も同じように考えていた。でももしそうでなかったら?


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