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mozi - モンテ・ヘルマン研究- 遠山純生-

バート・レイノルズとの対話 A

──あなた方 [ レイノルズとオルドリッチ ] は二人共フットボールの選手であり愛好家でした。お二人で一緒にこの企画に取り組んでいたのはそれが理由だったのですか?

BR 脚本が届いたとき、私は世にあるフットボール映画の内99パーセントにがっかりしていた。『ノース・ダラス40』(テッド・コッチェフ、79)は例外だったが。フットボール映画ってのは多少リアリスティックで荒っぽいけれども、キャストの中に本物の運動選手はいないものだった。30秒も観ればこう言える類のものさ。こりゃフットボールをやったことないな……それから他の競技もやったことないなって。だから自分たちの映画はしっかりと納得のいくものにしたかったし、ボブのようにフットボール経験のある監督と組みたかった。その後、チャーリー・ブロンソン、カサヴェテス、テリー・サヴァラス、ジム・ブラウン、バート・ヤング……といった名前が出るのを耳にした。ボブが彼らを、かなりきつく「ひもでつないで」おいたことを。ことによると連中は[ 撮影宿舎を ] 抜け出して、羽目を外して徹夜したのかもしれない。でも翌日の早朝、現場には彼らのうち誰一人として、一分たりとも遅刻した者はいなかった。私はそれが本当だと確認したし、ジム・ブラウン [ 彼もフットボール選手から俳優に転身した ]と話もした。彼は私に言った。「ボブはNFL[ナショナル・フットボール・リーグ]にいる他のみんなと同じように強情なんだ。俺はどこででもフットボールをプレイしたし、彼はどんな奴にでも逆らうことができる」。あんな風に断言されただけで、彼が映画にうってつけの監督だと私に確信させるには充分だった。

 チェイスンズ[ベヴァリー・ヒルズにある超高級レストラン]で彼と会ったのを覚えている。たぶんもう御存知かと思うが……ボブは決してネクタイをしなかった。私はバーに近づいて行った。彼はひとりだった。いつものように早めに来ていたよ。ボブは13時に約束しても、12時半には到着しているんだ。彼は私に聞いた。「これ一杯やるか?」「何をです?」「マティーニさ」。役者にマティーニがいるかどうか尋ねる監督……こうひとりごちたよ。なんて奇妙なんだ。まあどうなるか様子を見よう、って。「コーチ──彼のことをボブとは呼ばなかった──、マティーニは嫌いです」。そうしたら彼は「一杯飲んだ方がいいぞ」「オーケイ、マティーニを一杯いただきましょう」。われわれの共働と友情の始まりだった。マティーニがきっかけとなったわけだ!

 われわれは映画以外にもたくさんのことを話した。「君は人気がある」と彼は私に言った。「ありがとう」と私は答えた。すると彼は続けた。「だがある種の人々にはまったく好かれていない」「ええっ!」。そしてさらに「気をつけた方がいいぞ。君は大変な力を持とうとしているからな。力を持てば君の人生はかき乱されることになる。だから分別を失うな」と言った。そこで「わかりました、ミスター」と答えた。彼にはいつも「ミスター」と呼びかけていたよ。いつも彼には親父に抱いていたような尊敬の気持ちを抱いていた。『ロンゲスト・ヤード』の現場にいた他のみんなと同じようにね。

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