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mozi - モンテ・ヘルマン研究- 遠山純生-

──たとえばどのような映画がありましたか?

BR ハリソン・フォードが主演した『フリスコ・キッド』(79、Vのみ)だ。ハリソンはあの役にふさわしくなかった。頭に帽子をのっけていると、単純に見栄えの良くない人というのがいる……彼の場合がそうだと思うんだ。それに、私が出演したらジーン・ワイルダーの邪魔をしてしまうかもしれないと思った。だから、あの映画に出ることができなくて残念だった。これは、ボブにとっても残念なことだったんだ。


──オルドリッチはハリウッドを描いた映画を二本 [『何がジェーンに起こったか?』(62)と『女の香り』(68)] 作りました。二本とも、非常に陰鬱な映画でしたね。数年前、カンヌ映画祭であなたの最新監督作『ザ・ラスト・プロデューサー』(00、未/レイノルズはハリウッドの老いた映画製作者役で出演も兼任)を拝見する機会がありました。あれもまた、とても陰鬱な作品だし、作るのに大変な勇気を要する映画だと思ったのですが。なぜなら、あなた自身が所属し続けている映画産業をめぐって、厳しくて気の滅入るようなひとつの見方を観客に伝えているわけですから。それは、ハリウッドに対するオルドリッチの見解と同じものです……。

BR [『ザ・ラスト・プロデューサー』を作ったときに ] われわれにはスタジオの後ろ盾がなかったし、製作費も限られていた。だが私は、[ 出演者の一人である ] ロッド(・スタイガー)のことが大いに気に入った。これは、三人の敗者を描いた映画だ。この映画の中には、大好きなところがたくさんある。たとえば、ロッドがほとんどすべての台詞を即興で演じた、途方もない場面がある。彼の仕事ぶりときたら……われわれは、この“おしゃべり”は一体どこから出てきたのかと自問しながら、腰をおろしたままロッドのことをじっと見ていた。素晴らしかったな。なにしろ最高に楽しかったから。ある種の俳優たちが、自分自身の内部から最高の力を本当に引き出しているときには、すぐにそれとわかる。うっとりさせられるのさ。素晴らしいひとときだった。それに楽しい、本当に楽しい感じが漂っていた。


──『ザ・ラスト・プロデューサー』は厳しい映画だと思います。しかし映画産業を愛している人間が作り上げた映画でもある……。

BR まったく同感だね。自分がその一員となっている業界には、冷酷な視線を投げかけることもできる。一員であるからには、そうする権利があるんだ。


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