オルドリッチがMGMにもたらしたもう一つの新機軸は、その処女長編映画の屋内場面を含む全場面が、ニューヨーク・ジャイアンツの二軍の本拠地があるフロリダ州メルボルンでロケーション撮影されることになる点である。特別なセットをいろいろと建造する代わりに、オルドリッチはすでにそこにある建造物を使用し、ロケ地で利用できる背景なら何でも取り込んでさまざまな場面を撮影することになるだろう。

 こうしたやり方は、テレビ業界では共通のならわしとなっている。テレビの世界では同じセットを何度も使い回さなくては、セットの建造費など賄えないのだ。われわれが比較的よく知っているシリーズ番組でも、そんな具合なのである。
 「テレビ映画のなかに登場する短い劇的な場面のために」とオルドリッチは説明した。「セットを建造するようなぜいたくは禁じられている。だから9メートル×12メートルの部屋で展開する場面の場合、監督はそれにふさわしい大きさの部屋を見つけなくてはならない。たとえその部屋が、すでに撮影で使われたものであったとしても」。
 「こんな具合に空間にも動きにもいろいろと制限が加えられることで、とてもリアリスティックな成果を収めることもあるんだ」。


訳注 オルドリッチが執筆した脚本に関しては、詳細不明。公式に発表されているのは、この記事の発表以後に公開された英国映画『ザ・ガンマ・ピープル』(ジョン・ギリング、56、未)のみ。1950年にオルドリッチが俳優ジョン・ガーフィールドと製作者アーヴィング・アレンのために書いた原案に基づいている。もっとも、オルドリッチの名はこの作品にクレジットされていない。

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