●『シカゴの悪夢』の物語

 以下、『シカゴの悪夢』において語られる出来事を記述しよう。

 シカゴ市街の夜景にタイトルが重なる。次第に夜が明けてくる。
 早朝。インディアナ州の田舎町ピンフックに、一台の車がやって来る。貸家と思しき一軒の前で停車した車の中では、ひとりの女が交際相手の男に抱きつき、あと30分でルームメイトが仕事に行くから一緒に家の中に入ろうと暗に誘う。しかし、男の方は再会を約して彼女を追い払う。走り去る男の車を見送った後、女は「メリークリスマス」とつぶやく。彼女が玄関の鍵を開けようとしていると、室内で目覚まし時計が鳴り出す。「ノーマ、私よ」と外壁を叩きながら女が呼びかけると、時計が床に落ちる音がし、アラーム音は止む。その後鍵がようやく開き、室内に入った女は、寝室にいるノーマに「鍵を修理するか、ドアを開けたままにしておかないと」などと話しかけながら服を脱いで下着姿になる。女は深夜食堂のウェイトレスらしく、毎日変わりばえのしない仕事への不平を漏らしながらノーマに話しかけ続けるが、ルームメイトからは反応がない。ドアが開け放しになった寝室に女が目をやると、ベッドの上に横たわったノーマの片足だけが見える。ノーマと朝夜交代でそのベッドを使っている女は、起き出してこない相手の様子を見ようと寝室に入ろうとし、ベッドの上にノーマの絞殺体を発見する。床には落ちて壊れた目覚まし時計があり、針は6時15分前を指している。女は叫び声を上げながら、下着姿のままうっすらと雪の積もった表へ飛び出して行く。彼女が家を出た後、寝室に身を隠していたサングラス姿の中年男が家を出て行き、車で走り去る。

 田舎道で車がエンコし、立ち往生しているサングラス姿の男を、インディアナ州警察のパトカーが拾う。男はパトカーの後部座席に乗せてもらう。修理工キャルのもとへと送り届けてもらった男は、キャルに頼んで彼と一緒にいたタンクローリーの運転手に同乗させてもらい、イリノイ州ジョリエットへと出発する。シカゴを目指す男は、ジョリエットがシカゴ郊外の町であることをキャルに教わり、ジョリエットからバスに乗ってシカゴ市内に入ることにする。

【合衆国映画の復興期】
はじめに
第一回
 ヘレン・レヴィット、ジャニス・ローブ、
      ジェイムズ・エイジー @


第二回
 ヘレン・レヴィット、ジャニス・ローブ、
      ジェイムズ・エイジー A


第三回
 ひな菊を摘んで @

第四回
 ひな菊を摘んで A

第五回 
 ベアード・ブライアントと
          『クール・ワールド』 @


第六回 
 ベアード・ブライアントと
          『クール・ワールド』 A


第七回 
 ウィリアム・フリードキンと “ドキュメン
タリー的” 犯罪映画の系譜 @

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