──脚本の第一稿は、完成作とはまったく違うものだったろうと思うのですが……。
MH その通り。夫は黒人、ファビオ・テスティ演じる人物は白人で、最後に夫は殺された……。


──この映画はいわばマカロニ・ウエスタンです。あなたは自分がそこから逃れることができるとわかったのですか?
MH ああ。少なくともそう感じたよ。


──ハリウッド映画に関心を持っていましたか? その頃もよく映画館に行って、アメリカ映画やヨーロッパ映画を観ていたのですか?
MH ああ。5歳の頃から、毎週映画館に行っていた……『天井桟敷の人々』 (マルセル・カルネ、45)を観たよ……14歳のときに、ロサンジェルスでね。


──あなたは現在もシネフィルですか?
MH 時々ね。仕事しているときや撮影しているときはそうじゃない。アルメーリア(スペイン南部の州)にいると、そんなに映画を観る機会がないんだ。アメリカにいるときは、よく観るよ。30年代から40年代にかけての映画をね。楽しむために映画に行くなら古い映画を観に行き、世の中で起こっていることを知りたければ最近の映画を観に行く。楽しむためなら、古い映画を観る方がいいね。


──最近の映画は世の中で起こっていることをあなたに教えてくれるとお考えなのですか?
MH もちろん、映画界でのことをね。友人がやっていることを知りたいんだ。


──テレビはご覧になりますか?
MH いや、テレビは全然観ない。


──テレビ用に映画を作りたいとは思わないのですか? たとえば西部劇を?
MH 一度だけテレビで仕事したことがある。金が必要だったんでね。だがテレビは嫌いだ。テレビの演出家なんて、必要とされていないんだ。あれはプロデューサーとスターのメディアさ。


──アメリカ西部劇の90パーセントがテレビ用に作られています。違いますか?
MH そう。何本かは劇場公開用映画として作られている。ジャック・ニコルソンが一本作ったところだ [ ニコルソンが監督と主演を兼任した西部劇『ゴーイング・サウス』(78、Vのみ)のこと ] 。何年ぶりかのことだな。西部劇はとても少なくなっている。


──観客がテレビで西部劇を観るようになったからでは?
MH きっとそうだ。それに長い間、大当たりを取った西部劇がなかったからでもある。だからプロデューサーたちは、西部劇に対して偏見を持っているんだ。


──ロバート・クレイマーとはお知り合いですか? カイエでは『断絶』と『マイルストーンズ』(ロバート・クレイマー、75、未)とが比較されました。二本共、アメリカを描いた非常に美しい映画です……。
MH クレイマーのことは知らない。ちょうどカイエに書かれていると聞いて、知っていただけだ。他の批評家たちは、私の作品群をヴェンダースのそれと比較した。たとえば『都会のアリス』(73)とね。私は一本も観たことがないけれど。

mozi - モンテ・ヘルマン研究- 遠山純生-
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【モンテ・ヘルマン研究】

モンテ・ヘルマンとの対話 ⑤

モンテ・ヘルマンとの対話 ④

モンテ・ヘルマンとの対話 ③

モンテ・ヘルマンとの対話 ②

モンテ・ヘルマンとの対話 ①


いくつかの原則 
モンテ・ヘルマン

『コックファイター』から
      『ボーン・トゥ・キル』へ

チャールズ・ウィルフォード

『墓碑銘(鏡に向かって)』
ジャック・ニコルソン&
           モンテ・ヘルマン


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