モンテ・ヘルマンとの対話 ⑥


──カンヌでご覧になった映画は如何ですか? 映画祭という環境にご自分は関係があるとお感じですか?

MH カンヌを訪れるのは大好きだ、カンヌでは、他の国々で映画を作っている友人たちと出会うことができる。われわれが出会うことができ、お互いの映画を観ることのできる場所だ。『ドッグ・ソルジャー』(カレル・ライス、78)や『ザ・シャウト』(イエジー・スコリモフスキ、78)のような映画には、本当に励まされたと感じた。商業映画の中には、創造性や表現や詩趣の面で、無限の可能性があるような気がする。私にとって、『ドッグ・ソルジャー』や『ザ・シャウト』といった映画はとても重要なものだ。刺激してくれるんだよ。こういった作品を観ると、映画を作りたいという欲求にかられるね。


──では、映画の危機は?

MH ここでは、そんなものは感じない。ハリウッドでは感じる。私の住んでいる街の映画館ではね。だがカンヌでは感じない。セレクション出品作は見事なものばかりだ。ああいった映画が認められる場があるということは、映画にとってとても大事なことだと思う。実際、ああいう映画が俗受けするとは限らない。批評家や映画祭やシネフィルに支援されることを必要としている映画だから。こうした支援がなくなれば、もう作られなくなってしまうだろう。


──あなたは映画に関してペシミストですか?

MH 私に関して言えば、そうだ。だが映画の未来については、私はオプティミストだ。


──次回作のプロデューサーはもう見つかりましたか? 例えばフランスでは、若い監督が資金を工面するのは非常に難しいのですが。あなたは困難を抱えていますか?

MH いつだって抱えているさ。一本映画を撮って、次の映画を撮るまでに、三~四年経っていることが時々ある。実現されない企画に従事することもある。一年間かけて仕事してね。脚本を書くと、プロデューサーが言うんだ。「困ったことに金がないんだ……」と。これは自分で作らなくてはならない、他の監督ではだめだと思い続けている企画もあれば、他の監督の手に渡ってしまった題材もある。


──次の映画はイタリアでお作りになるのですか? 同じ会社で?

MH イタリアで、別の会社で作るんだ [ 約10年後に製作された『イグアナ』のことではなく、おそらく頓挫した別の企画を指している ] 。

mozi - モンテ・ヘルマン研究- 遠山純生-
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【モンテ・ヘルマン研究】

モンテ・ヘルマンとの対話 ⑥

モンテ・ヘルマンとの対話 ⑤

モンテ・ヘルマンとの対話 ④

モンテ・ヘルマンとの対話 ③

モンテ・ヘルマンとの対話 ②

モンテ・ヘルマンとの対話 ①


いくつかの原則 
モンテ・ヘルマン

『コックファイター』から
      『ボーン・トゥ・キル』へ

チャールズ・ウィルフォード

『墓碑銘(鏡に向かって)』
ジャック・ニコルソン&
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