──あなたはカサヴェテスとは少し違う映画作りの状況に身を置いていますね? 彼の映画はお好きですか?

MH ああ。『こわれゆく女』(74)は大好きだ。『チャイニーズ・ブッキーを殺した男』(76)はまだ観ていないが、観たくてたまらない。


──彼のように、あなたはシステムの縁にいて、内側にも外側にもいませんね?

MH 私はシステムの内側に行こうとしたんだが、うまくいかなくて腹を立てている。『チャイナ9、リバティ37』は映画祭に選抜されたのに、プロデューサーたちは政治的・経済的理由や民族的理由から、あれを引っ込めてしまった。私がイタリア人じゃないからだ。


──次回作はイタリアの製作会社との合作で、アメリカで撮ることはできないのですか?組合との間に問題はないのではないですか?

MH ない。組合と関係なく撮ることはできる。組合と仕事するかしないかは、プロデューサーが決めることだ。とにかく、二つの異なる組合がある。他方で、もしそう望めば、友人の俳優や演出家やヨーロッパ人のキャメラマンを使って映画を作る権利がある。これが組合と関係ない映画になる。


──間違いなく、マルコ・フェッレーリはそのようにしてニューヨークで撮影しました。『バイバイ・モンキー/コーネリアスの夢』(77)はご覧になりましたか?

MH 観た。とても面白いと思ったけれど、それほど心を動かされたわけではなかった。間違いなく、あれがアメリカで撮られていたからだ。もしあれがよそで、例えばイタリアで撮られていたら、たぶんもっと好きになっただろうね。だがアメリカが舞台になっているから、あの映画は私にとって真実味がなかった。


──あなたはもうスタジオと仕事するつもりはないのではないですか?

MH 私がスタジオの連中と組んで撮った映画は、『断絶』一本だけだ。だが私が友人のカナダ人(ルネ・ボセ)と脚本を共同執筆した企画と、わが“お気に入り”であるスティーヴン・ゲイツ [ Steven Gatesと記されているが、おそらくSteven Gaydos(スティーヴン・ゲイドス)の間違い ] のもう一つの企画に関しては、彼らに最後のチャンスを残してやることに決めた(笑)。スタジオのあらゆる重役たちに電話をかけたところ、非常に驚いたことに、彼らは24時間後にまた電話してきてくれたんだ。私のエージェントでさえ、そんなに早く電話をよこしてくれないというのに。彼らは少し迷いを感じていて、何か新しいものを待ち伏せているんだけれど、何を作ったらいいのかわからないんだと思う。そのうえ私は穏当な予算で仕事をすると評判だから、それが彼らを安心させているに違いない。

mozi - モンテ・ヘルマン研究- 遠山純生-
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【モンテ・ヘルマン研究】

モンテ・ヘルマンとの対話 ⑥

モンテ・ヘルマンとの対話 ⑤

モンテ・ヘルマンとの対話 ④

モンテ・ヘルマンとの対話 ③

モンテ・ヘルマンとの対話 ②

モンテ・ヘルマンとの対話 ①


いくつかの原則 
モンテ・ヘルマン

『コックファイター』から
      『ボーン・トゥ・キル』へ

チャールズ・ウィルフォード

『墓碑銘(鏡に向かって)』
ジャック・ニコルソン&
           モンテ・ヘルマン


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